ニューアース英語版まとめ 2017

前回の記事:ニューアース1ページまとめ

2017版の解説を書くのと並行して英語版を読んでいたというのは、 以前書いたとおりであり、

先日、その英語版を無事読み終えたので、 解説というか感想文を書いてまいります。

ただ、読んだのはたった1回で、 しかも読んでいる最中に英Ⅰのトラウマが蘇り、

「英Ⅰできない!卒業できない!(注:実際に英Ⅰ落とすと卒業どころか進級できない)」 という夢を久々に見たりと苦しみながら読んだので、 少々物足りないかもしれませんが、今後何回か読んで随時追加してまいります。

日本語版と大体同じ

一通り読んでまず感じたことは、 「日本語版と大体同じだな」ということ。

後ほど誤訳部分や抜けの部分について書きますが、その量も少しなので、 ほぼ100%が日本語にきちんと訳されていると思いました。

なので、映画は絶対字幕で字幕は刺身のツマ程度、 原文から筆者の言わんと欲することのニュアンスを汲み取りたいという人以外は、 日本語版で充分だというのが正直な感想です。

もう1つ感じたことは、著者がインテリなためか、 関係代名詞とかが頻出すること。

受験等できちんと英文法を学んでいないと、 マトモに読めなかったと思います。

誰だよ受験英語が役に立たないなんて言った奴は。 ちゃんと役に立つじゃないか!

ただ、ウンウン読んでいく中で誤訳や漏れを幾つか発見し、 それは以下の通り。

ニューアース日本語版の誤訳2箇所

まず誤訳ですが、これは2箇所。

本当に2箇所なのか、それとも私が実力不足で他に見つけられなかったのかは不明です。

1つ目はAmazonのレビューにも書かれているので有名でしょうが、 10章の一発目で「Astronomers」を「宇宙飛行士」と訳しているところ。

これだとガリレオやコペルニクスやケプラーも「宇宙飛行士」になっちゃうよ〜

2つ目はP.62(英語版のページ数)、3章「不満と怒り」の項で、

「不満より下のレベルになると怒鳴ったり叫んだり、そして…」の後が

日本語版では「さらに”ずっと下に”物理的(身体的)暴力がある」と書かれているのですが、

英語版だと「ずっと下に」の部分が「not much below that」となっているのです。

「物理的暴力というものは、怒鳴ったり叫んだりのレベルに近いかどうか」 ということなのですが、 日本語版みたいに暴力が怒鳴ったり叫んだりの「ずっと下」にあるならば、 こんなに世の中に暴力が蔓延することはないはずです。

※「○ちょっと下に、×ずっと下に」ということ。

ニューアース日本語版の抜け3箇所

お次は英語版にはあるけれど日本語訳版には無い「抜け」の部分について。 こちらは3箇所。本当はもっとあるかもしれない。

まず1章の「人類の無意識を最初に発見したのはブッダことゴータマシッダータである」 の後に、英語版では「ブッダとは”目覚めた人”の意味である」という一文があるのですが、 日本人ならこれくらいは知っているだろうから、まぁ良いでしょう。

看過できないのは残りの2箇所で、

まずP.267(英語版)、9章の対話部分で 「私は、自分では何もできない」というイエスの言葉が出てきますが、 英語版だとその言葉の前に 「It is not I but the Father within me who does the works. (事を成すのは私ではなく私の中の父である)」 という言葉があります。

つまり英語版をそのまま訳すと 「私ではなく私の中の父が事を成す。私は、自分では何もできない」となり、 どういう意図で前段を抜かしたのか、さっぱり理解できません。

極めつけは8章「物体の意識と空間の意識」の項で、

”Can you feel your own Presence?” (「あなたは自分の”存在”を感じることができますか?」)と 「何かの出来事や人や状況に動揺するとき…」の間に、以下のような段落があり、 日本語版ではそれが丸々抜けているではありませんか。

Space consciousness represents not only freedom from ego, but also from dependency on the things of this world, from materialism and materiality. It is the spiritual dimension which alone can give transcendent and true meaning to this world.

私のヘボ訳:「空間の意識は、エゴからの解放だけでなく、この世界における物質や形への依存、 物質主義、そして物質性からの解放をも意味する。 空間の意識は、この世界に超越と真の意味をもたらすことのできる、唯一の精神的特性(次元)である」

単に忘れていたのか意図的に抜かしたのか分からないけど、なんか…駄目だな…

総括:ニューアース日本語版は良い

以上、唸りながら一通り読んだのですが、 筆者の言いたいことがダイレクトに伝わってきて良かったし、 色々と発見できて面白かった。

あと読み進めるにつれ、「英Ⅰ落とした!お慈悲^〜」 と発狂する夢も見なくなりました。

結論としては、ニューアース日本語版は原本と同様に名著であり、 翻訳してくださった吉田利子氏には感謝と敬意を表したい、 ということであります。

多少の抜けや誤訳があるものの、 ニューアース日本語版は原本に対し忠実に訳されており、 下らないアレンジや改竄等は一切無いので、 日本語版を手にした人がバカを見ることはありません。

今後の予定

ちなみに現在はStillness Speaksの原本を読んでおります。

辞書や日本語版は必要なく、そのままスラスラ読める本なので 日本語版との突合わせはまだですが、いずれ整合性を確認いたします。

問題はThe Power of Nowで、 日本語版はタイトルからしておかしなことになっているし (それを言うならStillnessSpeaksもだが)、 私は日本語版を持っておらず5年前に図書館で借りて読んだきりなので、 読むとしたら英語版だけになる予定です。まぁいつ読むかは未定ですが。

T間書店が心を入れ替えて、きちんとした日本語版を出してくれるなら、 その時は購入しますが、まあ原本だけで事足りるでしょう。

Stillness Speaks英語版に続く。

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