『市民ケーン』を久々に見て反省の巻

ニートをしていた時に暇つぶしで映画を見まくっていた私が、 アメリカ映画史上ナンバーワンと謳われている『市民ケーン』を見てそのつまらなさ加減に絶句し、 ランボーの如く怒りに震えたのは700ページ&5周年記念に書いた映画記事の 中で書いた通りであります。

それ以来、私の中では「市民ケーン=駄作中の駄作」 「なんでこんなものが1位なのか理解できない」という風になっており、 前の記事でも「バズーカでぶっ飛ばせ」「見る価値も無い」などと散々なことを書きました。

ただ、当時の私は知性も教養も無いニートであり、『イージーライダー』のケースと同じく 「時を隔てて見たら面白いかもしれないなぁ」と少し思っていたのも事実で、

今回、いつの間にか本作がパブリックドメインになっていたので、 本当に久々に2度目の『市民ケーン』視聴をしようと思い立ち、 「つまらなかったらまたクソミソにけなしてやろう」と決心したのです。

市民ケーンを観てただただ反省

そのような感じで視聴開始したのですが…

なにこれ…

メチャクチャ面白いではないですか!!!1

少し挙げただけでも以上のようになり、

私が特に印象に残ったシーンは、 酔いから覚めたリーランドを尻目に黙々とタイプライターを打つチャールズの構図で、 二言三言喋った後、唐突に”You're fired!”と言い放つところで痺れました (その後の流れも素晴らしい)。

前回見たときは当シーンで衝撃を受けることなぞなかったのに、どういうことでしょうか。 当時の私は何を見ていたのでしょうか。馬鹿かretardなんじゃないでしょうか。

名作中の名作を視聴し感動すると共に、「散々クソクソ書いてきたが一体クソはどっちだ、 クソなのは本作ではなく私の方ではないか」と反省することしきりだったのでした。

なぜ1位なんだ

このように、私の中で180度印象が変わってしまった本作ですが、 じゃあ本作が私的映画ランキングで1位かと言われたらウーンとなるし、 同じく「元祖」「基本中の基本」的な映画なら、 やっぱり『サイコ(18位)』や『ジョーズ(48位)』の方が面白いと思ってしまいます。

理由は2つあって、1つ目は音楽。

未見の人は「psycho theme」とか「jaws theme」で検索してもらえれば分かるのですが、 双方とも一度聞いたら頭から離れない曲であります。

「音楽は映画にとっては重要なファクター」だと私は常々言ってまいりましたが、 『市民ケーン』の場合「本作の曲ってどんなんだっけ」となってしまい、 いまいち印象に残りにくいのです。

理由その2は作品の主題と背景。

「イカレた殺人鬼」と「人喰鮫との戦い」に比べて 「孤独な金持ち」では少々インパクトに欠けるところがあります。

また作品の背景も重要で、変な例え話をすると、

もし貴方がワンマン中小企業の従業員で、 『誰からも愛されなかった、哀れで滑稽な男の一生』 という社長をモデルにした劇、しかも生い立ちから「死ぬ」までの劇を作成し、 それを上演したらどうなるでしょうか。

社内ではバカウケ間違いなしでしょうが、社外での評価は社内のとは異なるだろうし、 そもそも貴方の社内での立場はどうなるでしょうか。

それを当時の権力者をモデルにして実際にやっちゃったのが本作およびウェルズで、 もし私が当時のアメリカに住んでいたなら、 本作は「殺人鬼」や「人喰鮫」を抜いていたのでしょうが、

残念ながら時代も国も違うので、本作のモデルといわれてもピンとこず、 どうしても「殺人鬼」「人喰鮫」の方に軍配が上がってしまいます。 (モデルといわれてピンとこないのは『サイコ』も同様だが)

まぁ、そうは言っても『市民ケーン』が名作なのは変わりがないし、 もし新聞王ハーストなんかに目をつけられなければ、 もっと凄い作品が製作されたかもしれないなぁとか思うわけですが、 そんなこと考えても無駄なのでこの辺にしておきます。

まとめ

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引き寄せに関する大変素晴らしい記事一例

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