前回の記事:9章:平安
前回は「思考と感情が現実になるのはおそらく本当だが、 思考や感情の奴隷となってリアクション芸人みたいなことをやっているようでは全くのナンセンス。 奴隷やリアクション芸人の状態がずっと続く」 「まずは今と調和し、思考や感情の檻から脱出すること」 ということを書きました。
今回はついにラストの10章。
サブタイは「今に対してお手上げする、今を受け入れることの意味」で、 『Stillness Speaks』の6章サブタイ「Acceptance&Surrender」と同じ印象を受けますが、 中身は本書の方が実用的な印象を受けました。
先に書いておきますが、 本書の解説については今回が初めてということで、 やはりというべきか、再走案件となりました。
また、当解説の最初あたりにも書きましたが、 英語が読める人は原作を読むのがベストだけど、 (軽薄な翻訳に目をつぶれば)別に日本語版でも構わないのではないか、 というのが現在の個人的、エゴ的な感想です。
まずこのSurrender,Acceptanceの概要についてですが、簡単にまとめると、
以上のように、 「何をするにせよ、まずは”たった今”抵抗を外してから行動しましょう」ということであり、 抵抗を外すことで「今」と一つになり「今(=生命)」が協力してくれるので、 何をするにも大した手間がかからなくなるというわけです。 (前回に続いてこれもパラドキシカルであるが、その原理はとても思考では理解できない)
逆に「ノーお手上げ状態」、人類の「普通の状態」である「今」に対する無意識の抵抗状態だと、 どんな行動をとったとしても自分や周囲に苦しみを撒き散らすことになり、 その上、エゴの殻が強化され強烈な分離の意識が作られて、 他の人間達や世界が自分を脅かす存在、つまり敵として認識されるということ。
さらに「言うは易くおこなうは難しだよこんなの!」という質問者のために、 2節では抵抗を外すことについて、さらに詳細な手順が以下のように書いてあります。
※訳は全て適当。 この後「もちろん私は意識して不幸になることができるけど?」という質問が続くが、その辺は割愛。
ともかく、本章の記述についてはただ読んで「あーそうなの」ではなく、 実際にやってみることが肝心で、適当でも良いのでやっていると、ある日突然
となり、要は、「今」に抵抗しなけりゃ「今」や「全体」が味方になってコトが進み、 「今」を敵とみなせば「今」や「全体」が敵となり攻撃してくるという、 これまで書いてきた通りの単純な話でございます。
読んで思考で理解するのと実感するのとでは大違いなので、 こんなもの読まずに、是非とも実際の生活の中でそれを感じていただきたい。
あと、自分を操作しようという人間や暴力への対処法は3節、 自然災害などの話は5節、「感情の直接体験」的なことは6節に書いてある通り。
他人を打ち負かしたり自分の正当性を証明して 「ちっぽけな私」を満足させて苦しみのドラマを続けるよりも、 お手上げ状態になり「今(=生命、宇宙、全体)」を味方につけた方が、 人生においてよっぽど効果的であることが書かれています。
私的には4節の病気の事例が一番具体的で分かりやすかったので、 今回は4節について簡単に書いておきます。
まず「重病人が病気を受け入れたら、回復を諦めることにならないか?」という質問があり、 それに対しては「お手上げ状態とは、無条件で『今、この瞬間の人生』を受け入れること。 病気のような『人生の状況』ではない」という回答があります。
続いて、
とあり、お手上げ状態で抵抗を落とし、 「今」に意識を向けることで「過去−現在−未来」という鎖を断ち切れば、 病気という人生の状況に何らかの変容が発現するというわけです。
以上のようにして病気や体の不調を意識の変容に利用していると、
Surrender does not transform what is, at least not directly. Surrender transforms you. When you are transformed, your whole world is transformed, because the world is only a reflection. We spoke about this earlier. (ヘボ訳:「お手上げ状態」は、直接的には「すでにそうであるもの」を変容しない。 「お手上げ」になることで私自身が変容する。私が変容すると、私の世界全体が変わる。 世界は「意識の投影」に過ぎないからである。これは以前、9章6節で話した通り)
ということを実感できます。 (別に病気の場合だけではないけど)
こういうのは、読んだだけでは本当に効果があるのかどうか分からないし、 「なんだこれこれ意味不明だよ」となるのですが、 そういう声は一体誰の声か観察すれば良いし、
「この4節を実践したら絶対に病気が治り健康になれますかぁー!?」 と、すごい勢いで聞いてくるような態度では、 「絶対なれぬ!」となるのは今まで書いてきた通りです。
ゴチャゴチャ書いてきたけど、病気という状況下においても
していれば何か分かってくるということです。
長くなってきたので今回はここまで。
10章:無意識から選択へに続く。
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