前回の記事:第4章十四節から十五節
前回は「日常の微妙な不幸」「苦しみや不幸を含めた『たった今』と仲直りしよう」 ということについて書きました。
今回は「エゴの病的な形」と「エゴと仕事」について。
4章もあと少しなので、張り切ってやっていきます。
何か十三節と被るサブタイですが、 当節の内容は主に「他人」について。
- 不充分な自分をもっと大きく見せるために、虚言癖の如く周囲に嘘をつくが、すぐにバレてしまう。
- つきまとう(エゴの)不安を理由付けるために、 マインドは「悪いものたち」「自分は被害者」などの虚構の物語をでっち上げる。 この物語はそれなりに一貫性があるので簡単に騙され続ける。
- 他者の欠陥をあげつらい、その欠陥をアイデンティティと思い込み 他者の「他者性」を強調していくと、他者は非人間的な化物になる。
- 自分のエゴが強いほど、人生でぶつかる問題は誰か他人のせいだと思う。 周囲に毒を撒き散らしているのだが、自分ではそれに気付かずに 「いつも苦しめられているのは自分だ」と思っている。
- そして「自分は脅かされている、迫害されている」と思えば思うほど、 自分が宇宙の中心にいる特別な人間で「悪いものたち」を倒してこの世界を救済する英雄だと思い込む。
ざっと抜き出すとこんな感じで、
「全ての他人が化物で敵に思える」 「自分はこの悪にまみれた世界で正義を為す、ただ一人の善人だ」なんていう記述は、 まるでai*eo700みたいだと思ってしまうのですが、
ネット掲示板とかを見ると上記の状態で書いたと思われる書き込みが殆どで、 しかもその状態やその書き込みを「普通のこと」だと書いた当人は思っているから余計にタチが悪く、 やはりエゴは病的だと言わざるをえません。
なぜこうなるのかは今まで書いてきた通りで、 「思考=自分だ」となっているからであり、
自分の意見(思考)が攻撃されるとまるで自分が攻撃されたかのように感じ、 自分の意見を擁護すると自分自身を擁護しているように感じるので、 その感じ方に操られて毎日毎日実生活やネット上で他人に対して動揺し、怒り、防戦し、攻撃するわけです。
ただし、この「自分を守るために自分の意見や価値観を死守せにゃならん!」 「どんな犠牲を払ってでも勝たなければならない!そうしなければ自分が滅びる!」 は妄想に過ぎない、というのは当節にある通りで、
The ego doesn’t know that mind and mental positions have nothing to do with who you are because the ego is the unobserved mind itself.
であるので、「真実」を外に探すことなんかせずに、 自分が何を考えているか、そのマインド自体を観察しましょう、 そうすりゃマインドを超えた「私」が姿を現すというわけです。
サブタイに「仕事」なんて文字が付いていますが、 別に会社でやっている仕事に限ったことでないのは読めば分かること。
まずは
- どんな仕事であろうが、「今、自分がしていること」と一つになれる人は、新しい地を築く。
- その逆が、殆どの注意が自分自身(もちろんエゴ)に向けられていたり、 自分の利益に向けれられ仕事が目的のための手段となっている人間。
という対比があるけど、何度も書いていますが「今自分がしていることと一つになろう」 と思ってなれるものでもないので、 まずは「今、自分が何をしているか」を観察すればよろしい。
また、
- 何か「不都合」な状況になっても、その新しい状況と一つになって状況のリクエストに応えれば万事OK。
- なのに、状況と対立して自分をそこから引き離そうとする。 問題解決に使えばよいエネルギーを、抵抗や怒りに費やしてしまう。 対立や抵抗はさらなる対立や抵抗を生み出す。
- このように、実は、私にとって最大の敵は自分自身なのである。
なんて記述がありますが、 これは別にブラック企業や3K職場でも抵抗せずに苦しめという意味ではないことは、 ここまできちんと読んできた人ならお分かりでしょう。
The Power of Nowの10章一節にあったように、 そこから抜け出したいならその状況に対して怒ったりイライラしたり、 果ては「これが私の望んだ状況だ」などと無理矢理自分を納得させるのでなく、 「抜け出したい」ということを認識し、 「すでにそうであるもの」を全て受け入れた上で、抜け出す行動をとるということです。
あと当節ラストには、
- エゴは自分が他者と協力し、他者を包み込めば包み込むほど、 ものごとが円滑に流れて行為や仕事が楽になることを知らない。
- 私が人を助けなかったり邪魔をすると、人々と環境という形をとる宇宙は、私を助けてくれない。 私が自分を全体から切り離したから。自分で自分の邪魔をしていることになる。
- 他人が成功すると、「まだ充分でない」と感じている私は、 その成功は「私」から奪われたものだと感じて妬む。 そして自分自身の成功のチャンスを狭めるが、エゴにはそんなこと分からない。
という、「情けは人の為ならず」について書かれていて、 「美人、金持ち、高学歴を妬んだり批判しても同じようにはなれない」というのは前に書いたし、 「状況と調和したり人助けをすると、何で物事が円滑に流れるかエゴには到底理解できない」 というのは、皆さんも普段の生活で実感されているのではないでしょうか。
※ただし、当節にある人助けと、 意識高い系の学生や引き寄せ信者にありがちな「いかにも」なボランティア等とは違うと思う。 毎月5000円の寄付を続けていた私にも心当たりあるが、 自分では「良いことをした(だからオレに良いことが起きる)」とか思っても、 それは単にエゴを強化しただけに過ぎない。 まぁ、それでも他人を妬むよりは1000倍マシだけど。
このように、状況や他人や全体と調和することで、 エゴには到底理解できないことが起きるのであり、 私もブラック企業脱出時はそんな感じだったというのは、前に書いた通り。
以上、今回はここまで。 次回で長かった四章がやっと終わります。
第4章十八節から二十節に続く。
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