解説『気分の力で人生うまくいく!』

現在のところ引き寄せや悟りについては一段落し、 あとは岩波文庫等の所謂「古典」の解説記事を書くか ネット上で見つけた「珍妙な本」の解説を書くくらいしかなくなったのですが、 今回は後者の「珍妙な本」について書いてまいります。

※というより、所謂「古典」の注釈記事なんて書いたらほんへと同じくらい長くなるので書くの面倒だし、 仏教でもキリスト教でもヒンドゥーでも何でも既に解説書が出版されているからそちらを読んで頂戴。

ちなみに珍妙な本で思い出したけど、 Amazonのレビューが凄いことになっている『恋空』を実際に読んで レビュー記事を書こうと思ったのですが、馬鹿になったら困るので止めました。

「『恋空』読め」と言われたらしぶしぶ読みますが、まさかそんな声ないやろ。

引きつけの法則!?

そんなわけで今回ご紹介するのは、『気分の力で人生うまくいく!』という本。 著者はリン・グラブホーンという人で、つまり洋物。

何の本かというと「引きつけの法則」について書かれた本で、 主に幼児や子供に症状が現れて親はビックリして医者に連れて行くけど、 大抵の場合は命に別状はないアレについて書かれた本ではなく、 いつもながらの「引き寄せの法則」についての本です。

2000年頃に出版された本だからね。仕方ないね。

気分の力でうまくいく
Amazonにて1円で買った本。ヨレヨレながらも帯や中のハガキなどが付属しており、 誰も手を付けていない状態だった。もちろん今は絶版状態。

この本を選んだ理由は後述するとして、 「引き寄せの法則」を知らない人に対して「引き寄せの法則とは一体何だ」 ということを説明すると、

本来は「人知を超えた『意識』のようなものが現実を創造する」法則のことであり、 こんなもの人間の頭では分からないので、別に理解したり覚えなくても何の問題もありません。

しかし、現在のスピリチュアル界隈において「引き寄せの法則」とは、 「頭で考えて良い気分になれば良いことが起きる法則」であり、 さらには「今まで何も成し遂げてこなかった人間(特に貧乏なオバサンやオッサン)が、 最後の望みとしてすがり付く逃避手段」という風になっており、 事実、現在の引き寄せ界隈は場末のパチンコ屋、 もしくは競輪や競馬の「ノミ会場」みたいになっているのが現状です。

さらに悪い?ことに、詰んでいる方々が引き寄せに熱中しても (そもそも引き寄せとは熱中するものではない)、 勉強だろうが仕事だろうがスポーツだろうが絵だろうが音楽だろうが何だろうが 今まで何一つ成し遂げてこなかった人生を送ってきたため、 「引き寄せの法則で幸せになる!」などという決意も所詮は「絵に描いた餅」であり、

彼等の「先延ばし癖」や「負け犬根性」や「依存体質」は一朝一夕には変わらず、 その「先延ばし癖」「負け犬根性」「依存体質」に相応しい人生が展開され、 インチキ教祖からカモられたり人間関係が破綻したりして、 ますます転がり落ちていくのであります。

何とも残酷な話ですが、 これこそ「引き寄せの法則」が働いている確固たる証拠であり、 証拠はいくらでもネット上に転がっております。

※だってそうだろう? 今まで中途半端に生きてきた人間が急に何かできるようになるわけがない。 「今まで勉強も仕事もスポーツも全て中途半端でした。でも引き寄せは簡単にできました」となったら、 それこそ「引き寄せの法則」に反しているではないか。 精神的なものと物理的なものは連動しているのに、何で精神的なものだけ別物扱いされるかな。

逆に、今まで勉強や仕事やスポーツや芸術などで何か達成したことある、 少しでも成功を体験したことがある人は、 その時の状態等を呼び起こして再現すれば良いだけであり、 コツさえ掴んで状態を再現できれば、 それに「引き寄せの法則」が働いて、 現状を打破できたり人生を変えることができるわけです。

よって「富める者はさらに富み、貧しき者はさらに貧しくなる」 が起きてしまうのが「引き寄せの法則」であり、 一番有名な引き寄せ本『ザ・シークレット』の1章でも言われていることです。 (説明しなくても分かるだろうが、 これらの話はあくまで思考レベル物質レベルの話)

こういう「頭で思ったからといって人生は変わらない。それは妄想に過ぎない」 「人生を好転させるためには地道な作業が必要である」 といったことをバカ正直に言うとカモが寄り付かなくなるため、 巷のインチキ引き寄せマスターさん達はこの事実については言及せず、 「良い気分になれば良いことが起きます」 などという耳当たりの良い言葉で欲望まみれのカモを呼び込んでいるのが実情です。

本人達がそれで幸せならそれで良いのでしょうが、 何だかなぁと思ってしまうわけであります。

※じゃあ、今まで何もしてこなかった半端者はどうすれば良いんだという 声もあるかもしれないが、そんなの人それぞれなので万人に当てはまる解決策なんて無いし、 それこそ人に頼らず自分で解決しろよと言いたい。 カイジの鉄骨渡りみたいに、生きるか死ぬかの瀬戸際になって目覚めたりするんじゃないの。 というか、全然本書と関係ないことばかり喋ってるじゃないか。

『気分の力で人生うまくいく!』概要

長ったらしいぶっちゃけ話をしましたが、本書の概要について。

本書の核は

  1. 望んでいないことをはっきりさせる。
  2. 望んでいることをはっきりさせる。
  3. 望みを感じられる状態にする。
  4. あとは待つだけ。

という4ステップで構成されており、内容もこの4ステップに沿ったもの、 つまり「どこかで見たことある」内容となっております。

ただ、いつも思うのは「3:望みを感じられる状態にする」について。

本書のケースみたいに、 夫に先立たれ家賃が支払不能になり 今月末までに家賃を支払わないと追い出される、 そんな状態になっても「豊かな気分」でいられる人は 一体どれくらいいるだろう、

前半のような事実を指摘されて怒らずに平静な気分でいられる 引き寄せ信者は一体何人いるだろうということで、

「3:望みを感じられる状態にする」ができるようになるには、 ある程度の訓練、少なくとも数年、長ければ10年以上修行を積まないと、 到底無理な話でしょうし、引き寄せ界隈を観察すれば火を見るよりも明らかです。

それをあたかも「簡単にできますよ」などと偽り、 本書にすがりついてきた読者にさらなる挫折と絶望を堪能させる… 思わず「お主も悪よのう」と悪代官みたいなことを言いたくもなります。

当然、これは本書だけに限ったことでなく、全ての引き寄せ本や インチキ引き寄せセミナーに当てはまることですが。

何か話が脱線しまくっているけど、本書を読んだ感想としては、

「他の引き寄せ本よりもケースが色々載っているし、 シンプルで本質をついているような気がするので良いと思う」 「何冊も買うよりは本書一冊で良いんじゃないの」 「今なら中古が二束三文で売ってるで」 「ただし、実践できるかどうかはその人の今までの積み重ね&才能次第」

というのが正直なところ。 (本当は他の本のように英語の原本読めば良いのかもしれないが、 Kindleで1800円とやけに高いので買わない。 ニューアースの英語版ですらKindleで800円だったのに)

そんな本書でありますが、次回は私が本書をピックアップした理由と、 そこから推理されることについて書いてまいります。

謎はすべて解けた!!に続く。

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